【牛肉の香りを徹底解説・通販で取り寄せるブランド和牛肉・その2】今日も匍匐前進

 

 

こんにちは! 「今日も匍匐前進」管理人&食品化学技術者のスガタです。

 

 

【牛肉を徹底解説・通販で取り寄せるブランド和牛肉・その1】からの続きの記事です。

 

 

 

こちらのページでもお店の紹介の前に先ずは、和牛が醸し出す甘い香りについてちょっと解説したいと思います。

 

 

 

 

で、何で牛肉の味ではなくて「香り」なの? ですが…。

 

食べ物の美味しい風味とは、味と香りが合わさったもの。

 

私は、このサイトのトップページの自己紹介でも少し書きましたが、食品や化粧品などの香りの成分を分析するのが元々の専門です。

 

大学で勉強して香料会社、食品会社に勤めてここいら辺のスキルを十分に貯め込んでしまいました(笑)。

 

もちろん、牛肉そのものの味や牛肉の熟成についても勉強しましたが(^^)。

 

そんな仕事をやっているうちに、あるとき「お手頃な牛肉を美味しくする」とかの特集で、「あさイチ」と「所さんの目がテン」に出演したりしたことがあります。

 

 

で、味については皆さんアミノ酸とかイノシン酸とかしょっぱい、甘いとか様々な知識をお持ちだと思いますが、牛肉の香りって「牛肉の匂いがする。」といった感じでしか普段は思わないとか思います。

 

 

焼き肉だったらロースト感が出てきますし、ボイルだったらそれなりのお肉の香りを感じられると思います。

 

でもそれらの調理したときの牛肉の香りって何なのかは、なかなか知ることができないと思います。

 


 

 

そこで、牛、豚、鶏、羊のお肉や和牛の香りについて要点をまとめてみました。

 

 

お肉の香りって何?

 

先ず、調理前の生肉は、僅かに生臭さを感じられる方も居られるかもしれませんが、冷蔵庫で保存してお肉の温度が低温ということもあり、基本的には香りがほとんど感じられません。

 

調理前の生肉段階で、何か臭うことがあれば、、、獣肉とか極端に熟成させれば別ですが、大体は衛生的に問題がある場合が多いです。。。

 

で、それぞれの畜種の加熱調理後に発現する香り成分について、ざっくりとまとめみました。

 

 

 

 

何やら、化学的な名前が出てきましたが…(;^ω^)。

 

次に羊、牛、豚、鶏をボイルしたときのもう少し具体的な説明をします。

 

 

この表の上の方の化学構造式とか名称はすっ飛ばしてください(笑)。

 

 

要は、ご存知のように豚肉が一番匂いが弱く、次に鶏肉、そして牛肉が格段に香りが強く感じられます。

 

基本的に、お肉ではタンパク質を構成する含硫アミノ酸やアミノ酸中の窒素が加熱調理中に関与して「お肉らしい」香りを醸し出します。

 

 

一番特徴的な匂いが強く感じられるのは羊肉のマトンです。

 

「いや、私は鶏肉が嫌いだから臭くてたまらない!」と思われる方も居られるかと思いますが…。

 

鶏肉は脂質酸化しやすいので保存方法や調理方法で臭みが出やすいです。

 

なんとなく、ご納得頂ける方も多いかと思います(^^)。

 

脂質酸化臭の原因物質の代表としては、脂質の酸化で飽和アルデヒドのヘキサナールやペンタナール、1価の不飽和アルデヒド類や2価の不飽和アルデヒド類の2,4-デカジエナールなどが挙げられます。

 

 

また、自然の環境下ではなく、きちんと管理された飼料で飼育された家畜では、元々草食の反芻動物のほうが加熱調理した肉に畜種特有の匂いが強く出る傾向があります。

 

 

次に、牛、豚、鶏肉でのボイルや焼き肉、それから獣臭についてその特徴となる香り成分をまとめてみました。

 

 

 

牛肉を熟成させたり、加熱調理すると特徴的なのは、アセトイン (acetoin = 3-hydroxy-2-butanone)という香りの成分が多く生成します。

 

アセトインの香りは、バター様の脂臭い匂いです。

 

 

このアセトインという香気成分は豚肉でも生成しますが、牛肉ほど多くは生成しません。

 

その他にも、ジアセチル(diacetyl = 2,3-butanedione)とか、ほんの微量にですが 2-メチル-3-フランチオール (2-Methyl-3-furanthiol) といったお肉らしい香りを醸し出す香気成分も生成します。

 

ジアセチルの香りは、バター様の発酵臭がします。

 

 

この内容をもっと詳しく知りたい方がもし居られましたら、日本獣医生命科学大学教授の松石昌典先生が詳しく論文を書かれていますので調べてみてくださいね。

 

 

で、良い香りの他にそれぞれのお肉が持つ獣臭成分や、揮発成分である香り物質の炭素数と鼻(嗅覚)で感じられる香りの傾向をまとめてみました。

 

 

 

 

まあ、こんなものそんなに見る機会はほとんど無いかと思いますが、「お肉の匂いってこんな香り成分があるのだな…」位でサラッと見てくださいね(^^)。

 

 

次は、いよいよこちらのページでの本題の霜降り和牛肉が醸し出す「甘い香り」についてです。

 

 

霜降り和牛肉が醸し出す「甘い香り」和牛香の秘密

 

こちらは、日本獣医生命科学大学名誉教授沖谷明紘先生、同大学教授の松石昌典先生らが「和牛肉と輸入牛肉の香気成分」日畜会報75(3):409-415,2004で発表された文献に詳しく書かれています。

 

こちらを要約すると、「霜降り和牛からは甘い香りを呈する【ラクトン類】が輸入牛肉よりも著しく多く出できた。」という発見です。

 

特に、γ-nonalactone (ガンマ-ノナラクトン)の量が霜降り和牛の甘い香りに大きく関与しているとまとめられています。

 

 


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「ラクトン」って何??? なのですが、、、。

 

次のようなラクトン類の表を作ってみました。

 

 

主なガンマ-ラクトン類

 

主なデルタ-ラクトン類

 

ラクトン類は、5員環がガンマ-ラクトン、6員環がデルタ-ラクトンと大別すると2種類あります。

 

どちらも、炭素の環の中にエーテル結合の酸素が炭素原子にはまっている複素環です。。。

 

さらに、酸素がもう一個、環の外側にケトン構造でくっ付いています。。。

 

 

言葉で書くと、何やら面倒で難しい…(笑)。

 

 

ザックリと言うと、香りの成分(分子)の中に酸素がエーテル結合で炭素間にはまると甘い香りに感じられます。

 

 

で、霜降り和牛の甘い香りはγ-nonalactone (ガンマ-ノナラクトン)が大きく関与していることから、クリーム様(よう)のココナッツに似た香りがします。

 

このラクトンは、霜降り状態の筋間脂肪が調理によって加熱されて、脂肪を構成している脂肪酸(オレイン酸など)から生成します。

 

 

このラクトン類の甘い香りは、ガンマ-ノナラクトンとはちょっとラクトンの種類は違ってくますが、例えばホットミルクや練乳、ココナッツミルク、桃からも検出されます。

 

 

私がどのようにこのラクトン類と関与していたかは、、、。

 

特許を取得していますので少しお話することができます。

 

私がこのラクトン類を色々と調べていったら、意外な効果があることを発見したのです。

 

そこで、様々な食品製品への利用方法を検討してくれた同僚と一緒に、会社ですから…即特許出願。

 

めでたく特許が取得でき、その会社の製品に活用できたのです。。。

 

特許のロイヤリティは、権利がその会社に帰属しているので、報奨金をほんの少し頂いただけ・・・(笑)。

 

で、TV局がその特許を見つけて取材に来られてTV出演となった次第です。。。(;^ω^)

 

他にも食品の香り関連で特許を取得したのがありますけど、、、こちらはTV局さんとしては興味ないみたいです(笑)。

 

 

 

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まとめ

 

話を霜降り和牛の甘い香りに戻して、まとめると、、、。

 

和牛の甘い香りの秘密は、赤み肉に霜降り状態で細かく入った筋間脂肪が加熱されることでガンマ-ノナラクトンなどのラクトン類が出来て、甘い香りがするということです。
さらに言うまでもないことですが、霜降りのサシが入ることで、その脂肪が解けてジューシーかつ柔らかいお肉になっているワケです。

 

 

因みに、ちなみに、、、髪の毛のシャンプーの残香とか化粧品の香りではなく、若い女性が甘くていい香りがすると言うのを耳にしたことはありますか?

 

聞いた話では、これはラクトンが関与しているそうですよ!

 

30代からこの香り成分は減少してしまうそうです。。。

 

で、オジサンが臭いのは、、、オトウサンが臭いのは、、、歳を取っての加齢臭、、、トランス-2-ノネナールというアルデヒド類の臭い成分が主な原因。。。(笑)

 

1933年にジャック・ゲランによって誕生した有名な香水の「夜間飛行」。

 

こちらは、ヒトの体臭のアルデヒド類の香料を少しだけ調香して、ヒトに馴染みやすくしたというか、セクシーな香りになっています。。

 

スイカを食べるときの塩とか、料理の隠し味といったところです。

 


 

 

さてと、通販で取り寄せる格調高い特選和牛肉のご紹介に移ります(^^)。

 

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こちらでは、主に関西系の但馬牛、三田和牛、松阪牛、神戸牛などの和牛肉専門店をご紹介します。

 

 

 

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