【日本最古のみりん蔵の最高傑作の本みりん】今日も匍匐前進

 

 

こんにちは! 「今日も匍匐前進」管理人&食品化学技術者のスガタです。

 

 

仕事で味醂を使う機会が多い私。

 

仕事では、業務用の味醂…。

 

自宅では、スーパーで買ってきた味醂、、、。

 

味醂を切らしてしまったときは仕方なく料理酒と砂糖でなんとか…。(-_-;)

 

私は自宅で時々魚料理や鶏肉の照り焼き、佃煮、しぐれ、焼き鳥のタレ、親子丼等々、自分のそのときの舌に合った味の料理は作れるのですが…。

 

というか…自宅では仕事と違い、目分量で味見しながらつぎ足しつぎ足しの調味なので、ちゃんとした計量の記録がないため次に作るとき味の再現に困ります(笑)。

 

自宅では、食品化学技術者として風上にも置けない人です。(苦笑)

 

料理好きの方なら、調味料としての味醂は和食の美味しさを引き出す大切な調味料であることが良くお分かり頂けると思います。

 

味醂のパワーは侮れません!!

 

魔法の調味料と言っても過言ではないと思います!!

 

料理力のアップには、やはり良い本味醂の「お力」が必要だとつくづく実感しています。

 

 

そこで、最強の本味醂が手に入らないかとネットで調べてみました!!

 

見つけました!!

 

 

しかも、日本最古のみりん蔵の最高傑作の本みりんです!!

 

ミシュランの有名店でも多数利用されているとか( ^ω^)。

 

その名も『九重櫻』。

 

 

九重櫻

 

 

240年余りも日本の最古の味を守り続けているそうな。('◇')ゞ

 

これで、私もプロの料理人に少し近づけるような気がします(^^)。

 

 

こちらの記事が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

 

 

【日本最古のみりん蔵の最高傑作の本みりん】今日も匍匐前進

 

 

 

 

本味醂の歴史

 

味醂の由来の歴史では、中国伝来説と日本発生説のふた通りがあるようですが、、、。

 

 

前者の中国伝来説では、、、

 

中国清明の時代の『湖雅巻八造醸』という書に「密淋(ミイリン)」と呼ばれる甘いお酒があったと記されているそうですが、、、。

 

中国清明の時代って、中国の年表にはないですよね。。。???

 

海外の歴史は苦手な私、、、ちょっと調べてみたのですが、、、

 

中国では1368年に明王朝が始まって、1636年に太宗(ホンタイジ)が国号を清に定められたそうな…。

 

清王朝は、1644年に明王朝が滅亡してからなので、明朝の時代とは1636年~1644年の間ってことでしょうか…?

 

日本はこの頃、徳川家光の江戸時代で1636年(寛永13年) 寛永通寳鋳造開始、1637年(寛永14年) - 1638年(寛永15年) 島原の乱、1637年(寛永14年) - 1638年(寛永15年) 島原の乱
1639年(寛永16年) ポルトガル人の来航禁止、1641年(寛永18年) オランダ人を長崎出島(鎖国体制完成)。

 

きっとこの前に日本に伝わったと考えられますね。

 

ちなみに、中国には「清明節」という4月4日~4月6日に3連休となる日本ではお盆にあたる行事がありますよね。

 

この清明節の起源は、なんと漢の時代(紀元前202年~220年)からです。

 

日本はこの頃、100余の国々の集まりのある島国で、それを総称して倭国だった頃…。

 

脱線しましたが、、、。

 

日本が戦国時代の頃に琉球や九州に伝来し、中国の「密淋」が→日本で「蜜淋」「美淋」といった漢字で書かれた。。。

 

味醂の名称はこういうことですね。フムフム…

 

日本では、江戸時代前期の俳人・歌人・歌学者の松永貞徳(まつなが ていとく)が1649年(慶安二年)に書かれた『貞徳文集』に、みりんは異国から渡来したものと書かれているそうな。。。

 

でも、もっと時代的に昔のような気もしないでもないですよね。。。

 

 

日本発生説では、、、

 

本には古くから練酒(ねりざけ)、白酒(しろざけ)などの甘いお酒がありましたよね。

 

練酒は博多とか出雲(島根県)にありますよね。

 

白酒は、博多の練酒が起源のようで、蒸したもち米に味醂を加えてかき混ぜる製法もあるとか、、、。

 

1466年(文正元年)の『蔭凉軒日録』(京都相国寺鹿苑院 (ろくおんいん) 内の蔭涼軒主の日記で全 61冊)に「練貫酒(ネリザケ)」という甘いお酒が博多にあったと記述されているそうな。。。

 

焼酎を加えてアルコール度数を高くしたりして保存性を高めるなどと改善されて現在の本味醂になったともいわれます。

 

いずれにしても清酒が一般に広められるまでの江戸時代中期にはまだ高価でしたが女性でも飲みやすいお酒として飲まれていたわけです。

 

調味料としての本みりんは、庶民にお酒として浸透したのち料理のコクやうま味を引き出す調味料として使われるようになったそうな。。。

 

1700年代中期には鰻屋、蕎麦屋など和食の店が大繁盛して、日本料理や懐石料理もほぼ完成。

 

江戸時代後期の『守貞慢稿』には、関東で鰻のたれやそばつゆに「みりん」が使われていたことが記載されているそうな。。。

 

『守貞慢稿』は、喜田川守貞が1837年(天保8年)から約30年に及んで書いた江戸・京都・大阪での風俗、事物を説明した全35巻の百科事典のようなもの。

 

日本の味・調味料の本みりんの完成です!!

 

 

九重桜 本みりん

 

 

私が個人的に思うには、みりんそのものは後者の日本発生説で、「味醂」という名称は飲むお酒と区別するために前者の中国の「密淋(ミイリン)」から名を付けたのではないかと…。

 

飲む白酒では、昔のブランド名のような感じでその名称にすったもんだがあったようですし…。

 

 

240年余り日本最古の味を守り続けた九重味淋さんの『九重櫻』

 

この伝統的製法は、九重味淋さんの『九重櫻』の公式ページに詳しく説明されています。

 

これを読むと、なるほどポイントを押さえた伝統的製法が『九重櫻』の本みりんとしての味を支えているのだと感心していまいます。

 

というのも、工程をみると時間と手間を掛けてつくられていることがわかります。

 

 

大体、企業というものは合理化や設備投資でより多くの利益を出さなければならないので、機械化して可能な限り短時間に生産することを考えます。

 

ところが、九重味淋さんは本みりんはこう作らなければならないという伝統的な製法のポイントをしっかりと押さえられていて、良い品質の本みりんをつくるにはここは絶対に譲れないというこだわりの製法を続けられていることがよくわかります。

 

「みりん風調味料」であれば値段が安いほうがありがたいのですが、本みりんはやはり伝統的なノウハウでつくられたもののほうがありがたいです。

 

 

次に、本みりんの調味料としての特徴について私の知識も足しながらお話したいと思います。

 

 

本みりんの調味料としての素晴らしい機能

 

みりんは「煮切る」ことも大切なのですが、、、。

 

 

甘み

 

本みりんにはブドウ糖(グルコース)、オリゴ糖、イソマルトース など9種類以上の糖分が含まれています。

 

一方、砂糖の糖分はショ糖だけ。

 

ぶどう糖は、砂糖に比べると後味がよく、さっぱりとした上品な甘さを醸しだします。

 

本みりんの甘みは、それに加えて様々な糖分の甘みが合わさりコクとまるみがあって深い味わいの甘みになるのです。

 

ちなみに、点滴の糖分はぶどう糖。

 

一番分子の小さい糖なので即吸収、エネルギーに変換しやすいので脳みそなんかもすっきりとしますよね(笑)。
ラムネ菓子なんかもぶどう糖ですよ。。。

 

 

照り艶

 

本みりんの糖分が、食材の表面に皮膜を作るので水分や旨みの流出を防ぐバリアーのような働きをしてくれます。

 

糖分は保水性(水を抱えてくれる)働きがあるので、食材の表面に艶が出ます。

 

 

旨み

 

本みりんに含まれるお酒としてのエチルアルコールは、粘性が低くさらさらとした液体です。

 

なので、様々な調味料の粘性を低くしてくれるので食材に調味料の味が染み込み易くしてくれます。

 

特に、調味料の順番「さしすせそ」での一番入りにくい砂糖などの糖分や醤油の旨み成分の浸透を助けてくれます。

 

 

 

これは糖-アミノ反応(メイラード)と言われる化学変化の課程の産物で、分子の長い(大きい)糖分(還元糖)やたんぱく質が熱せられることでメイラノジンという構造解析不能の黒褐色の物質を作ります。

 

物質というのは、強く加熱されると大体は毛玉のように縮まる性質があります。食品の場合は炭素も含まれているので黒褐色や茶褐色に見えます。

 

で、みりんの照り艶の働きで美味しそうな茶褐色の色合いになるのです。

 

 

 

本みりんに含まれるエチルアルコールが、イモなんかの煮くずれを防いでくれます。

 

植物の細胞膜中にペクチンという複合多糖類が含まれていてセルロース組織を保持する助けをしています。

 

他にもヘミセルロースとかリグニンとかがセルロースにくっ付いていますが…。

 

このペクチンは、エチルアルコールには溶けないので煮ても煮崩れしにくくなります。

 

一方、梅干や柑橘などに含まれる酸味のクエン酸は加熱することでペクチンを溶かし出します。

 

ちなみに、お酢の酢酸にはペクチンを溶かし出す働きはありません。

 

 

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臭い消し

 

ここんところは、私が学生のときから勉強してきた内容になります。

 

魚の臭みは、主にジメチルアミンとか脂質が酸化してできる脂肪族のアルデヒド類というやつが原因になります。

 

お肉の臭みは、やはり脂質が酸化してできる脂肪族のアルデヒド類というやつで、特に不飽和アルデヒドというやつは微量できても臭いが強いので臭くなります。

 

その他にも、不飽和脂肪酸なんかも獣臭などの臭みの原因になることがあります。

 

この臭みの由来になる脂質は、脂肪の塊ではなく動物の細胞膜を形成しているリン脂質というやつです。

 

お肉の保存で緩慢凍結なんかをしてしまうと肉線維内にできる凍結晶が成長して細胞が傷つけられたりすると酸化しやすくなって臭みの原因物質ができやすくなります。

 

これらの臭みの原因物質は揮発成分。

 

揮発して臭いとして感じられるようになります。

 

良い香りの成分も揮発性物質ですが(^^)。

 

で、みりんに含まれるエチルアルコールはこれらの臭み成分と混ざることで臭み成分の沸点を下げます。

 

よって、臭み成分はみりんなどのお酒と一緒に加熱調理することで揮発しやすくなり、加熱調理中に食材中から揮散しやすくなるのです。

 

 

これを「共沸効果(azeotropic effect)」と言います。

 

共沸混合物が気化することを日本語にはないのですが、Azeotropic Vaporization といいます。

 

こういう理屈は、蒸留して精製するための基礎理論になります。

 

 

一部の香辛料にも、良い香りでの臭みのマスキング効果の他に臭み取りで似たような効果があります。

 

で、実験を重ねて調べた結果、香辛料の精油成分に多く含まれるテルペンにも「共沸効果」があることが分かったので、日本化学会協賛のとある学会で研究発表したことがあります(^^)。

 

 

ちなみに、お酢の酢酸は共沸混合物を作らないので煮ても酢酸の物性値以上に揮発し易くなることはありませんです。。。

 

味噌や醤油での臭い消しは、みりんよりもエチルアルコール量が遥かに少ないので、味噌、醤油の匂いで臭いをマスキングしてしまう、味噌はペースト状で使えば臭い成分を抱き込んで縛り付けて感じにくくするといった感じです。

 

 

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香り

 

ここんところも私が学生のときから勉強してきた内容になります。

 

色のところで出てきた糖-アミノ反応(メイラード)と言われる化学変化で還元糖とアミノ酸とを強加熱することで脱水縮合が起こりピラジン類と呼ばれる香ばしさを醸し出す香気成分に変化します。

 

みりん中の糖分とアミノ酸、食材表面の遊離アミノ酸が大体160℃以上の温度で加熱されると、この香ばしさ香気成分ができてきます。

 

コーヒーやチョコレートの原料のカカオの焙煎なんかでできる香ばしさもこれです。

 

この化学反応は脱水反応なので食材の表面が乾いて水分がなくなった時点から開始されます。

 

なので、煮物の場合は温度が低いことと食材の周りは水分だらけなのでこの香ばしさ成分はできません。

 

煮物の場合にはピラジン類というものはできませんが、糖分の熱分解からフラン類という綿飴を作っているときのような甘く少し香ばしい香気成分ができます。

 

このフラン類は化学構造的に安定性が良くないので煮たあとで冷蔵保存するような場合はどんどんと変化して甘く香ばしい香りは弱くなっていきます。

 

 

調味料との相性

 

本みりんは水分とエチルアルコールが主体の液体なので、味噌、醤油、お酢などの日本の調味料と混ざりやすいので均一な味付けがしやすくなります。

 

味をマイルドにまとめてくれる日本の魔法の調味料(^^)。

 

みりんの糖分のお陰で多少醤油や塩を入れすぎても、エグミが出る食材や調味料でも味をマイルドにまとめてくれる魔法の調味料!!

 

味付けの失敗が少なくなります(笑)。

 

まとめ

 

 

九重醸造さんが作られている伝統とこだわり製法の本みりん『九重櫻』。

 

 

『九重櫻』を使えば料理の腕が上がったと褒められること間違いなし!!

 

 

でも、味付けの基本は自己責任でお願いしますね!!(笑)。

 

 

 

九重味淋株式会社さんの九重桜